計算方法と根拠

標本誤差の式

統計局 Data StaRt の標本設計のページでは、比率の標本誤差を ε = t √{ P(1−P)/n × (N−n)/(N−1) } としています。N は母集団の人数、n は標本の規模、P は比率、t は信頼度に対応する係数で、約 95% の信頼度では 2 です。P が分からないときは、誤差が最大になる 0.5 を使います。

必要な回答数の式

誤差 ε を決めて必要な回答数 n を求める式は n = N·P(1−P)t² ÷ ((N−1)ε² + P(1−P)t²) です。同じことを n0 = t²P(1−P)/ε²、n = N·n0/(N−1+n0) と書くこともできます。小数になったときは切り上げて、回収率が分かっていれば回答数を回収率で割って配る人数を決めます。

計算例(統計局のページの数値例)

N=20 万人・P=0.5・t=2 のとき、1,000 人から回答を得ると標本誤差は約 0.0315(約 3.2 ポイント)です。誤差を 0.02(2 ポイント)にするには n≒2,469.148 なので 2,470 人以上、回収率 50% なら約 4,940 人に配ります。

t を 1.96 にしたとき

標準正規分布の 95% 点は 1.96 です。同じ N・P・ε で t=1.96 にすると n≒2,372.5 となり、必要な回答数は 2,373 人です。1.96 の値は一般に用いられる値で、統計局のページの数値例は t=2 です。

使っている式

計算式
名前やっていること式
P(1−P)回答の比率 P と、その残り(1−P)の積です。P=0.5 のとき最大の 0.25 になります。pq = (p / 100) * (1 - p / 100)
必要な回答数(小数)許容誤差 ε にするための標本の規模 n です(有限母集団の補正つき)。nraw = pop * pq * t * t / ((pop - 1) * (e / 100) * (e / 100) + pq * t * t)
標本に含める回答数(母集団を超えない)回答数が母集団の人数を超えるときは母集団の人数で計算します。ngc = min(ng, pop)
必要な回答数(結果)許容誤差におさめるのに必要な回答数です。小数は切り上げます。ceil(nraw)
必要な回答数(切り上げ前)(結果)切り上げ前の値です。統計局のページの例では 2,469.148 と表示されます。nraw
配る(抽出する)人数の目安(結果)必要な回答数を見込みの回収率で割って切り上げた人数です。ceil(ceil(nraw) / (rr / 100))
回答数ngのときの標本誤差(±)(結果)入力した回答数の場合の標本誤差 ε です(ポイント)。母集団の全員が回答すると 0 になります。100 * t * sqrt(pq / ngc * (pop - ngc) / (pop - 1))

式の記法: + - * / ^(べき乗)、かっこ、min / max / round / ceil / floor / pow / abs / sqrt、if(条件, 真のとき, 偽のとき)。round(x, 桁) は四捨五入、ceil は切り上げ、floor は切り捨てです。

設定値(定数)と出典

この計算では、税率や料金表などの外部の設定値は使っていません。数学的な定義の式だけで計算しています。

入力できる範囲

入力項目
項目範囲初期値
母集団の人数2〜1,000,000,000人200,000人
回答の比率(分からなければ 50)1〜99%50%
許容する標本誤差0.1〜20%2%
信頼度に対応する係数 t2(約 95%・統計局ページの数値例) / 1.96(標準正規分布の 95%)2(約 95%・統計局ページの数値例)
見込みの回収率1〜100%50%
実際に得られた(得る予定の)回答数1〜1,000,000,000人1,000人

結果は、同じ条件なら本サイトのどのページでも同じ数字になります(ページの数字も、計算ツールも同じ計算の仕組みで出しています)。

ご利用にあたって

  • 無作為抽出(くじ引きのように偶然で選ぶ)ことを前提にした標本誤差の目安です。回答しない人の偏り・質問の仕方・回答の誤りなど、標本誤差以外の誤差は含みません。
  • 比率(「はい」と答える人の割合など)だけに使えます。平均値の信頼区間、層化抽出などの複雑な抽出法の計算には使えません。
  • 式は統計局のページの画像の式を数値例で照合して整理したものです。調査の設計や結果の判断は、統計の専門家や調査の実施主体で確かめてください。